つながっていく風

 第12回 バリアフリー旅行のその後B 

 

バリアフリー旅行のその後、今回は、バリアフリー旅行業界では老舗と言われているチックトラベルセンターさんです。

チックトラベルセンターには、「ハートTOハート」「グリーンアンドネイチャー」「ロマンチックツアー」の三つの部門があり、そのうちの「ハートTOハート」が、バリアフリー旅行部門にあたります。今回はその「ハートTOハート」の方にお話を伺ってきました。

(以下黒字が記者、青字が「チックトラベルセンター」さんです)

まずは、御社の「ハートTOハート」の基本理念またはコンセプト、それとバリアフリー旅行に対する意気込み・思い等をお聞かせ下さい。

当社のサイト上にもあるのですが「すべての人に同じ旅の感動を」 が、まず大きなコンセプトですね。

バリアフリー旅行に対する意気込みや思いとなると、バリアフリー部門創設の経緯からお話しした方がいいでしょうか。
当社はもともと、カナダをメインとするパック旅行の卸しを中心としている会社だったんです。パック旅行の卸しと言われても、一般の方にはピンと来ないですよね。実は旅行業者には1種、2種、3種と種類があって、それぞれ扱うことのできる旅行形態が違うんです。1種は国内海外どちらのパックツアー(募集型企画旅行)も作ることができ、2種だと国内のものだけ、3種だと自社でパックツアーを作ることはできないんです。受注型企画旅行と呼ばれるオーダーメイドのパック旅行や手配旅行(完全に顧客のオーダーに合わせて手配される旅行)、他社のパックツアーの代理販売を行うことは、どの種類の旅行業者でもできます(下図参照)。チックトラベルセンターは第1種旅行業者なので、パック旅行を作り、2種、3種の業者へ卸していた、というわけです。もちろん、当社自体でも、パック旅行を主催していました。

第1種旅行業者
第2種旅行業者
第3種旅行業者

募集型企画旅行
(パッケージツアー、
フリープランなど)

国内
×
海外
×
×

受注型企画旅行
(オーダーメイドのパック旅行)

国内
海外

手配旅行

国内
海外

他の旅行業者が主催する
募集型企画旅行の
代理販売

国内
海外

それで、当社にバリアフリー部門ができたのはですね、私が以前、鉄鋼関係の会社に勤めていた時、休日を利用してボランティアをしていたことに端を発しているんです。重度の障害のある方達の、遊びや活動のお手伝いをしていたんですが、泊まりで介助したり、旅行に付き添うこともありました。そのボランティアで旅行にいった際に、障害のある方達が見せてくれた、なんとも言えないいい笑顔や表情(顔つき)を見て嬉しくなり、バリアフリー旅行の仕事をやろう!と一念発起したんです。それで、以前から利用していたチックトラベルセンターへ1通の手紙を出し、バリアフリー部門の設立をお願いしました。


ヨーロッパにて
バリアフリー旅行の第一回目のツアーは「北海道」だったんですが、この時のお客様は、私がボランティアをしていた時にお知り合いになった方たちで、ツアーの時には、本当にいい笑顔を見せて頂きました。 重度の障害のある方が、夢が叶った時に見せてくれる笑顔。これはもう見た人じゃないと、そのうれしさや感動はわからないと思います。その笑顔のために、私達はがんばっていると言っても過言ではありません。

またこれは、意気込みとはちょっと違うかもしれませんが、個人の場合はもちろん、団体でのツアー旅行を受注する際にも、なるべくお客様とお話をきちんとしようと心がけています。お客様のお話を詳しく聞き、こちらも詳しく現地のことや注意事項をお伝えしよう、と。

そのかいあってかどうかわかりませんが、バリアフリー部門が設置されてもう10年経ちますが、その間ずっと無事故で過ごしてまいりました。こういった旅行はすぐ「何かあったらどうする?」と言われることが多いのですが、何かある前に防止策を講じておくということは誰も思わないのでしょうか?

本当にそうですよね。大体、健常者の方が旅行に行く時だって、事故が起こる可能性は必ずあって、その責任を負う可能性も旅行会社にはある。例えばパスポートや金品だって、健常者だろうと車イスだろうと盗難にあう可能性はたいして変わりませんものね。リスク管理をしなくてはならない、という点では一緒。ただ、ちょっと今までと種類の違うリスクにも対応できるようにしなくてはならないという事ですものね。

お客様には「気持ちに余裕をもって下さいね」とつねに言うようにしています。またお金やパスポート、トラベラーズチェックの扱いに気をつけてほしいということを、充分にお伝えするようにしています。お陰様で、バリアフリー部門で、パスポートや現金を無くしたお客様はひとりもいらっしゃいません。

タイの山奥にひっそりと暮らす首長族の村を訪れた時の写真だそう。
行くまでの道のりは、でこぼこ道と川のように流れている水の中を
車で走って、やっとたどりつける、すごい所だとか。

 

 

 

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