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速報第1回

第41回東京モーターショー・プレスデーレポート(その1)


「WELFARE2000」では、1999年の第33回から続けている、(社)日本自動車工業会が主催する「東京モーターショー」の現地取材を今回も行いました。取材したのは、10月24日からの一般公開日に先立って、プレスデー(報道関係者招待日)として公開された10月21日と22日の2日間です。22日の午後には車いす利用者とその介護者の方に向けた「車いす利用者特別見学日」が今回も開催され、多くの車いす利用者の方と、その介護者の方が来場されていました。

今回のモーターショーは、海外の大手自動車メーカーがほとんど出展を見送ったというニュースが大きく伝えられましたが、それ以外でもバス・トラックなどの商用車が展示されなかったため「ノンステップバス」などを見る事ができませんでした。例年と比べて少しさびしいショーでしたが、環境問題への取り組みはどのブースでもアピールされ、特に電気自動車(EV)はいろいろなタイプが紹介されました。

今回のレポートは、これまでの各メーカーの福祉車両展示だけではなく、電気自動車の普及で私たちの生活がどう変わるか、特に福祉や介護ではどんな影響があるか、という事を考えながら、みなさんにお伝えします。また、画像は実際に現地で撮影したものと各メーカーが資料として下さったものを使用しています。

日産自動車

今回の東京モーターショーで、最も福祉車両に力を入れていたメーカーの一つは、は日産自動車でした(東京モーターショーのブース紹介は「こちら」)。報道陣公開日の初日から2台の福祉車両(ライフケアビークル(LV))として「NV200バネット」のスロープタイプチェアキャブ(「こちら」)が展示されていました。

その中で目を引いたのは、外装などがタクシー用に変更されたクルマでした。「みんなのタクシー」と名付けられたこのクルマは、町中でも車いすの方が気軽にタクシーを利用できるように工夫されたクルマです。


プレスデー初日から展示されていたNV200バネットがベースのタクシー
車いす利用者の方も後部から乗り込めるスロープタイプ
プレスデー初日から展示されていた
「NV200バネット」がベースのタクシー
車いす利用者の方も後部から
乗り込めるスロープタイプ


また、車いす利用者特別見学日ではより多くの福祉車両が展示されていました。ここでは「ティーダ」の助手席スライドアップシート車(「こちら」)を紹介します。今回の東京モーターショーでは、今まで主に各施設が使ってきた比較的大型のキャラバンなどから、このティーダやバネットのように一般のお宅でも使う機会が多いクルマへのシフトが起こっていました。これも、全体としてコンパクトになり、低燃費やCO2削減を目指したクルマが中心になった今回のモーターショーの流れが出ていました。


現在の日産で最も人気のある
「ティーダ」も福祉車両に対応
もうおなじみの
助手席スライドアップシート車



トヨタ自動車

トヨタ自動車(東京モーターショーのブースは「こちら」)は、今回の東京モーターショーの中では珍しく、「環境も楽しさも」両方を目指したメーカーでした。豊田章男新社長はスピーチで「クルマには味がないといけない」と言った通り、今回は高級スポーツカーの「FT-86コンセプト」や「LFA」(レクサスブランド)の初公開で注目を集めましたが、ちゃんと福祉車両(ウェルキャブ)も展示されていました。ただし、残念ながら前回の東京モーターショーと同じで、プレスデーの初日には福祉車両がなく、2日目からの展示になりました。

今回は手動運転装置が付いた「プリウス」のフレンドマチック車(「こちら」)が展示されました。新型プリウスはこの2日目に発表された2009年のカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたハイブリッド車です。収納装置を屋根の上にのせて、車いすの方でもこの一番人気のクルマに乗れるようになっています。現在の福祉車両では約7割がトヨタのクルマだそうで、人気のある車種を福祉車両でもすぐに販売できるような体制が整っています。会場では12月7日発売の「SAI」が展示されていましたが、これも助手席リフトアップシート車(「こちら」)が同時に発売されます。


今一番人気のある新型「プリウス」のフレンドマチック車
運転席の上にかかるように車いす収納装置が回り込む
今一番人気のある新型「プリウス」の
フレンドマチック車
運転席の上にかかるように
車いす収納装置が回り込む


今回は福祉車両対応がされていない
タイプが展示されていた「SAI」


マツダ

マツダのブース(マツダの公式サイト内の展示案内は「こちら」)でも福祉車両(「こちら」)を展示していました。今回は1台、軽自動車のワゴンタイプ、「AZ-ワゴンi」のスロープ式車いす移動車です(「こちら」)。これは前回の東京モーターショーと同じタイプで、利用者の皆さんの中ではおなじみのクルマです。

軽ワゴンタイプで
気軽に乗れる「AZ-ワゴンi」
後ろから車いすが乗り込める
手動スロープ式



スズキ

今回の東京モーターショーでは、前回までの展示車両をさらに進めて、実用に近づけたクルマも目立ちました。

スズキ(出展内容のニュースリリースは「こちら」)では、四輪車(クルマ)や二輪車(バイク)の他に電動カート(セニアカー)を作っています。前回のショーではメタノールの燃料電池で動く電動カートの試作車「MIO(ミオ)」の改良型を展示しましたが、今回はこれを中央のステージ上に置いて、実際に走る姿を見せていました。2008年の11月から静岡県にリースして試験中だそうで、排気ガスが出ないので屋内になる会場の中でも走行できます。

この他にもクルマやバイクでのハイブリッドカーや電気自動車を多く展示して、「スズキは『環境に優しいクルマ』をたくさん作る」というアピールをしていました。



ステージ上で軽やかに走る
メタノール電動カート「MIO(ミオ)」
女性が手に持っているのが
燃料となるメタノールのボトル


ダイハツ自動車

一方、軽自動車が中心のメーカーとしてスズキとライバルになるダイハツ自動車では、こちらも福祉車両(フレンドシップシリーズ)として前回出品した「タント」
の助手席スライドアップ車「ウェルカムシート車」(「こちら」)を展示していました。

担当者の方のお話によると、 福祉車両はどうしても装備の値段が高くなるので、まだ高価格なハイブリッドや電気自動車への切替は通常のクルマ以上にしづらいというお話でした。ですから、福祉車両については、電気自動車やハイブリッドカーに進もうとするスズキと、今まで通りガソリン車を低価格で提供するダイハツとの差が出ていきそうです。


ドア部が広い「タント」の
助手席スライドアップシート車
前から見るとこんなに
コンパクトな軽自動車



このように、今回も東京モーターショーではいろいろなタイプのクルマが展示され、福祉車両も各社のブースで並べられました。車いす利用者や介護者の方以外でも、いろいろなお客様やマスメディア関係者が福祉車両を見て、実際にシートに座ってその便利さを実感していました。

ただし、今回はモーターショー自体の規模が縮小されました。その影響は福祉車両にも出ていて、今回は富士重工業スバル)が福祉車両(トランスケア)の展示を見送り、それ以外のメーカーでも福祉車両の展示台数が減っていました。今回は商用車メーカーがないので、低床バスなどの姿もありません。また、福祉車両そのものも市場拡大などで壁に当たっています。

そんな事情と、そこからのWELFARE2000なりの提案を、今回お伝えしなかった三菱とホンダの展示紹介も加えながら、次のレポートでお伝えします。


<つづく>

 



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